第164回国際セミナー「難解な猫の整形外科疾患」
難解な猫の整形外科疾患
~原因追及から治療まで徹底解説~
第164回国際セミナー
認定医指定セミナー(外科科目「整形外科」)/ 認定病院指定セミナー
日本獣医師会獣医師生涯研修事業ポイント取得プログラム申請中
認定医指定セミナー(外科科目「整形外科」)/ 認定病院指定セミナー
日本獣医師会獣医師生涯研修事業ポイント取得プログラム申請中
講師紹介
Dr. Sorrel Langley-Hobbs, MA BVetMed DSAS(O) DECVS FHEA MRCVS
University of Bristol
Chair in Small Animal Orthopaedic Surgery
RCVS Specialist in Small Animal Orthopaedic Surgery
European Specialist in Surgery
University of Bristol
Chair in Small Animal Orthopaedic Surgery
RCVS Specialist in Small Animal Orthopaedic Surgery
European Specialist in Surgery
担当学術委員によるセミナーのご案内
猫に対する獣医療は近年急速に発展してきていますが、日本でも犬と比較して猫の飼育割合が増加しており、「猫は小さな犬ではない」というフレーズは各科で取り上げられ、現在よく耳にするテーマとなっています。整形外科分野においては、まさにこの小さな犬ではないということを日常の臨床の中で強く感じ経験することが多いのではないでしょうか。実際、行動学的な性質、必要とする運動機能、解剖学的特徴、骨や筋組織の性質、その多くが犬とは異なります。しかしながら、猫の整形外科を系統立てて学べる機会は数少なく、多くは犬などの他種でのデータを代用しなければならず、当然難解で壁にぶつかることが多くあると思います。
今回招聘いたしましたLangley-Hobbs先生はケンブリッジ大学にて外科の臨床獣医師としてご活躍されたのち、現在はブリストル大学にて小動物整形外科学の教授として日々最先端の獣医療を研究、教育されておられます。日本でも翻訳出版されている「猫の関節手術と筋骨格系の疾患(LLL Publisher)」の著者の一人として世界的に有名な先生であり、貴重な猫の臨床に力を入れられている整形外科獣医師です。猫の骨折など数多くの研究報告をなされていますが、猫の整形外科において難解な膝蓋骨の異常について多くの知見をお持ちの先生です。猫の整形外科のセミナーを企画するにあたり、学術委員会において迷わず選出させて頂いた先生です。大変充実した3日間となると思います。是非ご参加ください。
学術委員 森 淳和(DVMsどうぶつ医療センター横浜)
今回招聘いたしましたLangley-Hobbs先生はケンブリッジ大学にて外科の臨床獣医師としてご活躍されたのち、現在はブリストル大学にて小動物整形外科学の教授として日々最先端の獣医療を研究、教育されておられます。日本でも翻訳出版されている「猫の関節手術と筋骨格系の疾患(LLL Publisher)」の著者の一人として世界的に有名な先生であり、貴重な猫の臨床に力を入れられている整形外科獣医師です。猫の骨折など数多くの研究報告をなされていますが、猫の整形外科において難解な膝蓋骨の異常について多くの知見をお持ちの先生です。猫の整形外科のセミナーを企画するにあたり、学術委員会において迷わず選出させて頂いた先生です。大変充実した3日間となると思います。是非ご参加ください。
学術委員 森 淳和(DVMsどうぶつ医療センター横浜)
スペシャリストセミナー トピックス
Day1 13:00-19:00
猫の整形外科概論
猫は小さい犬ではありません。解剖や生活様式は犬と異なり、骨折や跛行の原因も異なります。猫に対する整形外科検査のコツや病院の設備についてのお話から講義を始めます。多くの場合、全身の整形外科検査ができるほど猫は従順ではないため、猫の歩様や自宅で歩く様子の動画を分析することは非常に有効です。跛行の神経学的原因と整形外科的原因を鑑別し、特定の歩様異常に対してどのような診断が考えられるかを症例を提示しながら解説します。
猫の骨折に対する創外固定とインターロッキングネイル
創外固定は猫において様々な用途で使える万能な固定法です。骨幹骨折に対する創外固定の使用についてお話しします。インターロッキングネイルは、特に大腿骨や脛骨の骨幹骨折に対して用いられる固定法です。最小侵襲で設置可能で、比較的安価であり、合併症率も非常に低いです。猫での使用症例を提示しながら解説します。
また足根損傷および膝関節障害を含む損傷した関節の安定化に対する創外固定の使用を説明します。
猫の骨幹骨折
長骨骨折は猫でよく認められます。猫の骨幹骨折は時に粉砕および亀裂骨折であり、整復が非常に難しいケースがあります。この講義では骨折患者の評価から骨折固定に使用するインプラントやその選択方法についての基本をお話しします。様々な長骨骨折でのピンニングやプレート、スクリューを用いた固定法を中心に解説します。
猫における骨折の合併症
猫は小さな犬ではありませんし、猫の骨折は放置しても治癒しません。骨折整復では実際に合併症が起こりますし、猫の骨折整復の原則に従う必要があります。猫は犬といくつかの重要な点で違いがあり、起こりやすい合併症が異なります。猫で多く認められる合併症と、その予防法、そして対処法について、お話します。
猫は小さい犬ではありません。解剖や生活様式は犬と異なり、骨折や跛行の原因も異なります。猫に対する整形外科検査のコツや病院の設備についてのお話から講義を始めます。多くの場合、全身の整形外科検査ができるほど猫は従順ではないため、猫の歩様や自宅で歩く様子の動画を分析することは非常に有効です。跛行の神経学的原因と整形外科的原因を鑑別し、特定の歩様異常に対してどのような診断が考えられるかを症例を提示しながら解説します。
猫の骨折に対する創外固定とインターロッキングネイル
創外固定は猫において様々な用途で使える万能な固定法です。骨幹骨折に対する創外固定の使用についてお話しします。インターロッキングネイルは、特に大腿骨や脛骨の骨幹骨折に対して用いられる固定法です。最小侵襲で設置可能で、比較的安価であり、合併症率も非常に低いです。猫での使用症例を提示しながら解説します。
また足根損傷および膝関節障害を含む損傷した関節の安定化に対する創外固定の使用を説明します。
猫の骨幹骨折
長骨骨折は猫でよく認められます。猫の骨幹骨折は時に粉砕および亀裂骨折であり、整復が非常に難しいケースがあります。この講義では骨折患者の評価から骨折固定に使用するインプラントやその選択方法についての基本をお話しします。様々な長骨骨折でのピンニングやプレート、スクリューを用いた固定法を中心に解説します。
猫における骨折の合併症
猫は小さな犬ではありませんし、猫の骨折は放置しても治癒しません。骨折整復では実際に合併症が起こりますし、猫の骨折整復の原則に従う必要があります。猫は犬といくつかの重要な点で違いがあり、起こりやすい合併症が異なります。猫で多く認められる合併症と、その予防法、そして対処法について、お話します。
Day 2 10:00-17:00
猫の顎関節の疾患
頭蓋骨骨折や不正咬合は、猫で最もよく認められる外傷の症状のひとつです。診断が大変困難となるのは顎関節まで損傷が及んだ場合です。しかし、これらの損傷はencircling suture法と栄養チューブで比較的容易かつ費用をかけずに管理可能です。講義では、診断および麻酔、咽頭造瘻術気管内チューブ設置、栄養チューブから関節的/直接的外科固定術までの管理法について検討します。猫の頭蓋骨のCTスキャンは大変有用で、損傷した頭蓋骨の検査に不可欠な画像診断法です。脱臼、強直、開口障害などの顎関節疾患についてもお話しします。
猫の前肢の跛行
猫の整形外科では、跛行の原因を特定の関節に絞り込むことが肝心です。その次の難関は診断を下すことです。講義では、肩から指までの各関節における跛行の原因と診断を検討します。またそれらの問題の治療についても簡単にお話しします。
猫での珍しい跛行症例
猫の跛行では、時に原因を突き止めることが困難です。猫種に特有な跛行があるため、その症状に関する知識があれば跛行患者を前にしてそれを見逃すことはないでしょう。この講義では、原因が一般的ではない猫の跛行および特徴的な歩様異常の動画をお見せします。多発性関節炎、筋疾患による跛行、先天性および感染性が原因の跛行など、様々な症例をご紹介します。
頭蓋骨骨折や不正咬合は、猫で最もよく認められる外傷の症状のひとつです。診断が大変困難となるのは顎関節まで損傷が及んだ場合です。しかし、これらの損傷はencircling suture法と栄養チューブで比較的容易かつ費用をかけずに管理可能です。講義では、診断および麻酔、咽頭造瘻術気管内チューブ設置、栄養チューブから関節的/直接的外科固定術までの管理法について検討します。猫の頭蓋骨のCTスキャンは大変有用で、損傷した頭蓋骨の検査に不可欠な画像診断法です。脱臼、強直、開口障害などの顎関節疾患についてもお話しします。
猫の前肢の跛行
猫の整形外科では、跛行の原因を特定の関節に絞り込むことが肝心です。その次の難関は診断を下すことです。講義では、肩から指までの各関節における跛行の原因と診断を検討します。またそれらの問題の治療についても簡単にお話しします。
猫での珍しい跛行症例
猫の跛行では、時に原因を突き止めることが困難です。猫種に特有な跛行があるため、その症状に関する知識があれば跛行患者を前にしてそれを見逃すことはないでしょう。この講義では、原因が一般的ではない猫の跛行および特徴的な歩様異常の動画をお見せします。多発性関節炎、筋疾患による跛行、先天性および感染性が原因の跛行など、様々な症例をご紹介します。
Day3 10:00-17:00
猫の股関節疾患
猫の股関節疾患として認められるものに、形成不全、脱臼、大腿骨頭すべり症(slipped capital femoral epiphysis)や外傷性骨折があります。この講義では、困難なこともある診断法と、治療法についてお話します。腰が痛む猫の治療法のひとつとして、より身近になりつつある人工関節全置換術もご紹介します。また、骨片間のKワイヤー設置(interfragmentary K wires)、経関節ピンによる股関節脱臼の整復術、大腿骨頭と頚部の切除術について、少し詳しくお話します。
猫の膝関節の疾患
猫でも前十字靭帯断裂は認められますが、犬のように多い問題ではありません。外傷性の断裂も変性性の断裂も認められます。この疾患には、保存的な管理法と縫合または骨切り術の外科手術で対処できます。講義では、前十字靭帯断裂の外科治療に関する、数少ないエビデンスを紹介します。また、膝の脱臼や離断性骨軟骨炎といった他の膝の跛行の原因も症例を用いて説明します。いくつかの有用な、また一般的な治療テクニックを詳しく解説します。
猫の膝蓋骨脱臼
猫の膝蓋骨脱臼は、手術を必要とする可能性のある、最も多く認められる発達障害です。猫は一般的に関節が緩く、正常な猫でも容易に膝蓋骨を脱臼させられます。つまり、膝蓋骨脱臼は臨床的に問題なのでしょうか。また、膝蓋骨脱臼はどう治療すればよいのでしょうか。猫の膝蓋骨は犬に比べて広く、四肢の位置が正常であることが多いので、脛骨粗面転位術は常に必要ではありません。講義では、治療と術後の合併症についてもお話します。
猫の足根の治療
猫で最もよく損傷が認められる関節のひとつに足根があります。犬と猫では解剖上の違いがあるため、猫は犬とは若干異なる損傷を負う傾向があります。足根の損傷の多くは開放創で汚染されており、時に見事なまでに不安定です。足根が損傷した猫を目の前にこう思うかもしれません-“その足根の開放創を一体どうしたらいいんだ?”。講義では、初期管理と評価から、経関節創外固定の適用を含めた様々な治療法までを検討します。
猫の股関節疾患として認められるものに、形成不全、脱臼、大腿骨頭すべり症(slipped capital femoral epiphysis)や外傷性骨折があります。この講義では、困難なこともある診断法と、治療法についてお話します。腰が痛む猫の治療法のひとつとして、より身近になりつつある人工関節全置換術もご紹介します。また、骨片間のKワイヤー設置(interfragmentary K wires)、経関節ピンによる股関節脱臼の整復術、大腿骨頭と頚部の切除術について、少し詳しくお話します。
猫の膝関節の疾患
猫でも前十字靭帯断裂は認められますが、犬のように多い問題ではありません。外傷性の断裂も変性性の断裂も認められます。この疾患には、保存的な管理法と縫合または骨切り術の外科手術で対処できます。講義では、前十字靭帯断裂の外科治療に関する、数少ないエビデンスを紹介します。また、膝の脱臼や離断性骨軟骨炎といった他の膝の跛行の原因も症例を用いて説明します。いくつかの有用な、また一般的な治療テクニックを詳しく解説します。
猫の膝蓋骨脱臼
猫の膝蓋骨脱臼は、手術を必要とする可能性のある、最も多く認められる発達障害です。猫は一般的に関節が緩く、正常な猫でも容易に膝蓋骨を脱臼させられます。つまり、膝蓋骨脱臼は臨床的に問題なのでしょうか。また、膝蓋骨脱臼はどう治療すればよいのでしょうか。猫の膝蓋骨は犬に比べて広く、四肢の位置が正常であることが多いので、脛骨粗面転位術は常に必要ではありません。講義では、治療と術後の合併症についてもお話します。
猫の足根の治療
猫で最もよく損傷が認められる関節のひとつに足根があります。犬と猫では解剖上の違いがあるため、猫は犬とは若干異なる損傷を負う傾向があります。足根の損傷の多くは開放創で汚染されており、時に見事なまでに不安定です。足根が損傷した猫を目の前にこう思うかもしれません-“その足根の開放創を一体どうしたらいいんだ?”。講義では、初期管理と評価から、経関節創外固定の適用を含めた様々な治療法までを検討します。
日程・会場
参加費・お申し込み
参加費・講義資料代(税込)
参加区分 | 一般料金/会員当日料金 | JAHA会員料金 | |
3日間受講 | 獣医師 | 71,280円 | 64,800円 |
獣医師奨学制度 | ー | 32,400円 | |
学生 | 12,960円 | 9,720円 | |
1日受講 | 獣医師 | 23,760円 | 21,600円 |
獣医師奨学制度 | ー | 10,800円 | |
学生 | 4,320円 | 3,240円 | |
講義資料 | 資料USBメモリ 6,170円 資料USBメモリ+冊子セット 8,330円 |
||
昼食 | 1,080円/1日 *10時開始のセミナーのみ |
資料USBメモリの事前発送について | 11月21日までに入金確認できた方 ⇨ 11月22日発送予定 |
・資料USBメモリには講義ノートと講演スライドのPDFデータが含まれます。
事前発送にはヤマト運輸DM便を利用します(ポストへの投函)開催直前のご注文分は会場でお渡しします。
・冊子(スライドのカラー印刷)は会場でお渡しします。
*USBメモリ購入者へのオプション販売となります *追加で冊子を購入数場合は1冊 2,160円となります。
事前発送にはヤマト運輸DM便を利用します(ポストへの投函)開催直前のご注文分は会場でお渡しします。
・冊子(スライドのカラー印刷)は会場でお渡しします。
*USBメモリ購入者へのオプション販売となります *追加で冊子を購入数場合は1冊 2,160円となります。
キャンセルについて
セミナー前日までにご連絡の場合 キャンセル料 1,000円
・連絡日が事務局の休日にあたる場合は、留守番電話メッセージ、E-mail、FAXでご連絡をお受けします。
・連絡日が事務局の休日にあたる場合は、留守番電話メッセージ、E-mail、FAXでご連絡をお受けします。
ご連絡
○JAHA会員対象「奨学制度」【要事前登録】
獣医師免許取得後3年目まで(2016年4月以降取得の方)のJAHA会員獣医師が対象になります。
申込み時に免許取得年をご記入ください。
○後援団体会員、日本獣医師会会員の方は、JAHA会員と同じ参加費になります。申込み時所属団体名をご記入ください。
○ご入金が当日以降の場合、参加区分に関わらず一般料金が適用されます。
○講義の録画やデジカメ等での撮影はご遠慮願います。講義の録音は可能です。
○会場では空調調整を行うよう努めておりますが、適温には個人差がありますので、温度調整できる服装でご来場願います。
○開場は講演開始の1時間前からとなります。
獣医師免許取得後3年目まで(2016年4月以降取得の方)のJAHA会員獣医師が対象になります。
申込み時に免許取得年をご記入ください。
○後援団体会員、日本獣医師会会員の方は、JAHA会員と同じ参加費になります。申込み時所属団体名をご記入ください。
○ご入金が当日以降の場合、参加区分に関わらず一般料金が適用されます。
○講義の録画やデジカメ等での撮影はご遠慮願います。講義の録音は可能です。
○会場では空調調整を行うよう努めておりますが、適温には個人差がありますので、温度調整できる服装でご来場願います。
○開場は講演開始の1時間前からとなります。