第166回国際セミナー「検査データの先にあるもの ~貧血、炎症 vs 腫瘍、血液凝固関連疾患の徹底理解と新概念」
検査データの先にあるもの
~貧血、炎症 vs 腫瘍、血液凝固関連疾患の徹底理解と新概念
第166回国際セミナー
認定医指定セミナー(内科科目「臨床病理学」)/ 認定病院指定セミナー
日本獣医師会獣医師生涯研修事業ポイント取得プログラム認定
認定医指定セミナー(内科科目「臨床病理学」)/ 認定病院指定セミナー
日本獣医師会獣医師生涯研修事業ポイント取得プログラム認定
講師紹介
Dr. Tracy Stokol BVSc, PhD, DACVP(Clinical Pathology)
Professor, Cornell University
講師プロフィールはこちら(英文ページ)
Professor, Cornell University
講師プロフィールはこちら(英文ページ)
セミナーアドバイザー 小笠原 聖悟先生【出席日程:東京会場 5/21-23】
血液検査を含む臨床病理学的検査は、日常の診療の中で最も行う検査の一つであり、その重要性を多くの先生が理解しているものの、検査結果の解釈に関しては十分な情報を引き出し切れていないかもしれません。
私の米国レジデント時代の指導医であるDr. Tracy Stokolは、米国の獣医臨床病理学分野において多数の論文執筆し、多方面から鋭い視点を持ち病態の解明に臨むスペシャルな臨床病理医であり、世界的にも最も優秀な獣医臨床病理医の一人です。また彼女は昨年、米国の獣医臨床病理学会において最優秀教育者賞を受賞し、世界トップレベルの教育者としても知られています。
特に多くの先生が苦手とする、血液凝固やDICに関連する複雑な病態の解釈などは、私自身、レジデント時代に彼女の指導で非常に理解が明確になった領域であり、今回のセミナーでは2日目のすべての時間を凝固セッションにしたことは非常に魅力的だと思います。また、3日目に行う症例の検査データを用いた結果解釈のディスカッションは、答え(診断名)を知ることだけでなく、検査データから考えられる病態や鑑別疾患を考える良いトレーニングになります。シャイな日本人の先生も多いかもしれませんが、是非こちらも積極的に参加して頂ければと思います(東京会場では私も参加します!)。
先生方には世界トップレベルの臨床病理学の知識を吸収していただく絶好の機会になると確信しています。是非ご参加ください!!
私の米国レジデント時代の指導医であるDr. Tracy Stokolは、米国の獣医臨床病理学分野において多数の論文執筆し、多方面から鋭い視点を持ち病態の解明に臨むスペシャルな臨床病理医であり、世界的にも最も優秀な獣医臨床病理医の一人です。また彼女は昨年、米国の獣医臨床病理学会において最優秀教育者賞を受賞し、世界トップレベルの教育者としても知られています。
特に多くの先生が苦手とする、血液凝固やDICに関連する複雑な病態の解釈などは、私自身、レジデント時代に彼女の指導で非常に理解が明確になった領域であり、今回のセミナーでは2日目のすべての時間を凝固セッションにしたことは非常に魅力的だと思います。また、3日目に行う症例の検査データを用いた結果解釈のディスカッションは、答え(診断名)を知ることだけでなく、検査データから考えられる病態や鑑別疾患を考える良いトレーニングになります。シャイな日本人の先生も多いかもしれませんが、是非こちらも積極的に参加して頂ければと思います(東京会場では私も参加します!)。
先生方には世界トップレベルの臨床病理学の知識を吸収していただく絶好の機会になると確信しています。是非ご参加ください!!
小笠原 聖悟先生
米国獣医臨床病理専門医
アイデックスラボラトリーズ コントラクター
小笠原犬猫病院
米国獣医臨床病理専門医
アイデックスラボラトリーズ コントラクター
小笠原犬猫病院
スペシャリストセミナー トピックス
Day1 13:00-19:00
貧血患者における血液塗抹検査の有用性
まず始めに血液塗抹検査を行うにあたってのコツを解説し(一貫性と完全性がカギ!)、次に典型的な赤血球の形態変化について概説します。その後、関連したいくつかの症例の画像を用いて、小動物の患者における貧血のメカニズムや,原因の特定にあたっての血液塗抹検査の有用性についてをお話しします。
血液白血球を読み解く:腫瘍か否か?
顕著な白血球増多症を認めた時、あなたはどうしますか?炎症ですか、それとも白血病ですか? もしもそれが白血病であるならば、そのタイプは何でしょうか? そしてこれらの大きく青い細胞はなんですか? 白血病を示唆していると言えますか? もしもそれが白血病に関連している場合、どのタイプだと考えて、次に何をしますか? この講義では白血球系変化の解釈についての指針を提供し、どのような場合に白血病を疑うべきかを解説します。
骨髄穿刺:なに?なぜ?どうやって?そして、いつ?
質の高い骨髄標本を得ることを軽視してはいけません。ここでは骨髄穿刺吸引およびコア生検の適応と、それらから得られる情報の違いについて検討します。次に骨髄穿刺の実施方法と、最も重要となる質の良い診断標本の作り方を説明します。骨髄検査結果の所見書を構成している重要な要素や、骨髄穿刺標本を鏡検する際に臨床病理医が用いている標準的な用語についても解説します。
まず始めに血液塗抹検査を行うにあたってのコツを解説し(一貫性と完全性がカギ!)、次に典型的な赤血球の形態変化について概説します。その後、関連したいくつかの症例の画像を用いて、小動物の患者における貧血のメカニズムや,原因の特定にあたっての血液塗抹検査の有用性についてをお話しします。
血液白血球を読み解く:腫瘍か否か?
顕著な白血球増多症を認めた時、あなたはどうしますか?炎症ですか、それとも白血病ですか? もしもそれが白血病であるならば、そのタイプは何でしょうか? そしてこれらの大きく青い細胞はなんですか? 白血病を示唆していると言えますか? もしもそれが白血病に関連している場合、どのタイプだと考えて、次に何をしますか? この講義では白血球系変化の解釈についての指針を提供し、どのような場合に白血病を疑うべきかを解説します。
骨髄穿刺:なに?なぜ?どうやって?そして、いつ?
質の高い骨髄標本を得ることを軽視してはいけません。ここでは骨髄穿刺吸引およびコア生検の適応と、それらから得られる情報の違いについて検討します。次に骨髄穿刺の実施方法と、最も重要となる質の良い診断標本の作り方を説明します。骨髄検査結果の所見書を構成している重要な要素や、骨髄穿刺標本を鏡検する際に臨床病理医が用いている標準的な用語についても解説します。
Day 2 10:00-17:00
凝固障害の診断的評価
凝固系は非常に複雑なシステムであり、血管損傷による血液の損失を血栓や血餅の形成によって阻止する役目を担っています。ここでは血液凝固系の評価に使用されている検査系についての情報をお話しします。講義には以下を含みます;1)適切な血栓形成のための標準的診断スクリーニング検査、2)血小板機能検査など,凝固障害におけるある特別な状況で有用な情報をもたらす特殊検査、3)トロンボエラストグラフィー等の凝固系包括的検査の適応と限界、4)凝固亢進状態を証明する検査。
播種性血管内凝固(DIC)の進展モデル:機序と診断
この講義では2つの症例を用いてDICの機序に関する新しい概念を説明します。講義にはDICのトリガー、炎症と凝固との相互作用、非顕性および顕性DICを含みます。臨床徴候と検査データから非顕性および顕性DICを鑑別する方法も解説します。
凝固障害への症例アプローチ
出血多量を呈する犬に関連したいくつかの難解な症例を提示しながら、凝固系のどの経路が影響を受けていて、その凝固異常の本質がどういったものなのかを特定するために我々が普段どのようにシグナルメント、病歴、出血のタイプ、そして診断的検査を利用しているのかについて解説します。この講義では、凝固系の出血性障害に最も罹りやすい動物種である犬について集中的にお話しします。
凝固系は非常に複雑なシステムであり、血管損傷による血液の損失を血栓や血餅の形成によって阻止する役目を担っています。ここでは血液凝固系の評価に使用されている検査系についての情報をお話しします。講義には以下を含みます;1)適切な血栓形成のための標準的診断スクリーニング検査、2)血小板機能検査など,凝固障害におけるある特別な状況で有用な情報をもたらす特殊検査、3)トロンボエラストグラフィー等の凝固系包括的検査の適応と限界、4)凝固亢進状態を証明する検査。
播種性血管内凝固(DIC)の進展モデル:機序と診断
この講義では2つの症例を用いてDICの機序に関する新しい概念を説明します。講義にはDICのトリガー、炎症と凝固との相互作用、非顕性および顕性DICを含みます。臨床徴候と検査データから非顕性および顕性DICを鑑別する方法も解説します。
凝固障害への症例アプローチ
出血多量を呈する犬に関連したいくつかの難解な症例を提示しながら、凝固系のどの経路が影響を受けていて、その凝固異常の本質がどういったものなのかを特定するために我々が普段どのようにシグナルメント、病歴、出血のタイプ、そして診断的検査を利用しているのかについて解説します。この講義では、凝固系の出血性障害に最も罹りやすい動物種である犬について集中的にお話しします。
Day3 10:00-17:00
このセッションでは3つの複雑な症例を検討しながら、患者の病理学的過程や罹患している臓器を特定するため、また最終的に疾患を診断するために、血液検査、血液化学検査、その他の臨床病理検査をどう活用するかについて協議します。
東京会場では本セミナー アドバイザーの小笠原 聖悟先生にも参加いただき、ふたりの専門医によるディスカッションをお届けします。
症例1:Padiwak
10歳齢、不妊手術済み雌のシャム。病歴は5-6日にわたる元気消失、体重減少、食欲不振からの食欲廃絶。Padiwakは室内生活で、ワクチン接種済み。2カ月前、家族が外見上は健康そうな純血種のシャムの子猫をペットショップから連れてきている。身体検査では、Padiwakは不活発で、39Cの発熱、軽度の脱水。若干黄色がかった強膜が認められた。腹部が若干膨らんでおり、触診で中腹部に3cmのマスが認められた。血液検査と血液化学検査のために血液が採取され、尿検査のために膀胱を穿刺して尿が採取された。
症例2:Rex
9歳齢、雄、去勢手術済みのラブラドール・レトリーバー。3日間にわたる嘔吐と食欲不振,前日からの下痢を主訴に来院した。レプトスピラのブースターワクチンを受けていて,右前肢の進行性の跛行のために3週間前からカルプロフェンが投与されている。患者は元気でバイタルは正常であった。身体検査で目立った異常は無く、腹部超音波検査も特筆すべき変化は見当たらなかった。血液検査と血液化学検査のために血液が採取され、尿検査のために膀胱を穿刺して尿が採取された。
症例3:Wesley
8歳齢、雄、去勢手術済みのミニチュア・シュナウザー。9日前に抜歯と右鼠径部の大きなマスの切除手術を行っている。2日後、手術部位で内出血と浮腫が認められたが、抗生物質や利尿薬では改善されなかった。次第に元気消失、食欲廃絶、虚弱を呈し、数回の嘔吐があった。身体検査では、元気消失、虚弱、約5%の脱水、低体温、頻脈、頻呼吸で、可視粘膜は蒼白で若干の黄疸があり、毛細血管再充満時間が延長していた。また四肢の冷え、反跳脈が認められた。右鼠径部および内腿は腫脹し、重度に内出血しており、離開した手術部位からは血液を含む濃い液体が分泌している。腹部腹側には小さい点状出血が認められる。血液検査、血液ガス、DICパネル、血液化学検査のために血液が採取され、排尿していなかったためカテーテルを用いて尿が採取された。手術部位の分泌液のスワブは細胞学的検査に提出された。
東京会場では本セミナー アドバイザーの小笠原 聖悟先生にも参加いただき、ふたりの専門医によるディスカッションをお届けします。
症例1:Padiwak
10歳齢、不妊手術済み雌のシャム。病歴は5-6日にわたる元気消失、体重減少、食欲不振からの食欲廃絶。Padiwakは室内生活で、ワクチン接種済み。2カ月前、家族が外見上は健康そうな純血種のシャムの子猫をペットショップから連れてきている。身体検査では、Padiwakは不活発で、39Cの発熱、軽度の脱水。若干黄色がかった強膜が認められた。腹部が若干膨らんでおり、触診で中腹部に3cmのマスが認められた。血液検査と血液化学検査のために血液が採取され、尿検査のために膀胱を穿刺して尿が採取された。
症例2:Rex
9歳齢、雄、去勢手術済みのラブラドール・レトリーバー。3日間にわたる嘔吐と食欲不振,前日からの下痢を主訴に来院した。レプトスピラのブースターワクチンを受けていて,右前肢の進行性の跛行のために3週間前からカルプロフェンが投与されている。患者は元気でバイタルは正常であった。身体検査で目立った異常は無く、腹部超音波検査も特筆すべき変化は見当たらなかった。血液検査と血液化学検査のために血液が採取され、尿検査のために膀胱を穿刺して尿が採取された。
症例3:Wesley
8歳齢、雄、去勢手術済みのミニチュア・シュナウザー。9日前に抜歯と右鼠径部の大きなマスの切除手術を行っている。2日後、手術部位で内出血と浮腫が認められたが、抗生物質や利尿薬では改善されなかった。次第に元気消失、食欲廃絶、虚弱を呈し、数回の嘔吐があった。身体検査では、元気消失、虚弱、約5%の脱水、低体温、頻脈、頻呼吸で、可視粘膜は蒼白で若干の黄疸があり、毛細血管再充満時間が延長していた。また四肢の冷え、反跳脈が認められた。右鼠径部および内腿は腫脹し、重度に内出血しており、離開した手術部位からは血液を含む濃い液体が分泌している。腹部腹側には小さい点状出血が認められる。血液検査、血液ガス、DICパネル、血液化学検査のために血液が採取され、排尿していなかったためカテーテルを用いて尿が採取された。手術部位の分泌液のスワブは細胞学的検査に提出された。
日程・会場
参加費・お申し込み
参加費・講義資料代(税込)
参加区分 | 一般料金/会員当日料金 | JAHA会員料金 | |
3日間受講 | 獣医師 | 71,280円 | 64,800円 |
獣医師奨学制度 | ー | 32,400円 | |
学生 | 12,960円 | 9,720円 | |
1日受講 | 獣医師 | 23,760円 | 21,600円 |
獣医師奨学制度 | ー | 10,800円 | |
学生 | 4,320円 | 3,240円 | |
講義資料 | 資料USBメモリ 6,170円 資料USBメモリ+冊子セット 8,330円 |
||
昼食 | 1,080円/1日 *10時開始のセミナーのみ |
資料USBメモリの事前発送について | 5月12日までに入金確認できた方 ⇨ 5月13日発送予定 |
・資料USBメモリには講義ノートと講演スライドのPDFデータが含まれます。
事前発送にはヤマト運輸DM便を利用します(ポストへの投函)開催直前のご注文分は会場でお渡しします。
・冊子(スライドのカラー印刷):購入者に会場でお渡しします。
*USBメモリ購入者へのオプション販売となります *追加で冊子を購入数場合は1冊 2,160円となります。
事前発送にはヤマト運輸DM便を利用します(ポストへの投函)開催直前のご注文分は会場でお渡しします。
・冊子(スライドのカラー印刷):購入者に会場でお渡しします。
*USBメモリ購入者へのオプション販売となります *追加で冊子を購入数場合は1冊 2,160円となります。
お申込み方法
下記のいずれかの方法でお申込みください。
オンライン申込
FAXによる申込
キャンセルについて
セミナー前日までにご連絡の場合 キャンセル料 1,000円
・連絡日が事務局の休日にあたる場合は、留守番電話メッセージ、E-mail、FAXでご連絡をお受けします。
・連絡日が事務局の休日にあたる場合は、留守番電話メッセージ、E-mail、FAXでご連絡をお受けします。
ご連絡
○JAHA会員対象「奨学制度」【要事前登録】
獣医師免許取得後3年目まで(2017年4月以降取得の方)のJAHA会員獣医師が対象になります。
申込み時に免許取得年をご記入ください。
○後援団体会員、日本獣医師会会員の方は、JAHA会員と同じ参加費になります。申込み時所属団体名をご記入ください。
○ご入金が当日以降の場合、参加区分に関わらず一般料金が適用されます。
○講義の録画やデジカメ等での撮影はご遠慮願います。講義の録音は可能です。
○会場では空調調整を行うよう努めておりますが、適温には個人差がありますので、温度調整できる服装でご来場願います。
○開場は講演開始の1時間前から、受付開始は30分前からとなります。
獣医師免許取得後3年目まで(2017年4月以降取得の方)のJAHA会員獣医師が対象になります。
申込み時に免許取得年をご記入ください。
○後援団体会員、日本獣医師会会員の方は、JAHA会員と同じ参加費になります。申込み時所属団体名をご記入ください。
○ご入金が当日以降の場合、参加区分に関わらず一般料金が適用されます。
○講義の録画やデジカメ等での撮影はご遠慮願います。講義の録音は可能です。
○会場では空調調整を行うよう努めておりますが、適温には個人差がありますので、温度調整できる服装でご来場願います。
○開場は講演開始の1時間前から、受付開始は30分前からとなります。