第173回国際セミナー「脳神経外科のスペシャリストに学ぶ神経疾患の診断と治療」
脳神経外科のスペシャリストに学ぶ神経疾患の診断と治療
後援
獣医神経病学会、(一社)日本獣医麻酔外科学会、(公社)東京都獣医師会、(公社)神奈川県獣医師会、(公社)千葉県獣医師会、(公社)埼玉県獣医師会、(公社)川崎市獣医師会、(公社)横浜市獣医師会、(公社)大阪府獣医師会、(公社)大阪市獣医師会、(一社)兵庫県獣医師会、(公社)京都府獣医師会、(公社)京都市獣医師会
講師
Dr. R.Timothy Bentley
Purdue University College of Veterinary Medicine
Professor, Neurology and Neurosurgery
BVSc (Dist), MRCVS, ACVIM-Neurology
Purdue University College of Veterinary Medicine
Professor, Neurology and Neurosurgery
BVSc (Dist), MRCVS, ACVIM-Neurology
ご案内
Dr.Bentleyはパデュー大学獣医学部の神経病学/神経外科学の教授で、脳神経外科手術のエキスパートです。公的資金を受けた研究を犬の神経膠腫手術・脳のMRI・水頭症について主導されており、北米の専門医教育のための集中的な神経科学講義(通称”Brain Camp”)でも、脳腫瘍の講義を昨年担当されました。神経放射線学や中枢神経への真菌感染症などのテーマも含め、多数の論文執筆や教科書への寄稿をされています。
今回のセミナーでは、Dr.Bentleyの真骨頂ともいえる脳外科手術・頭部MR検査・水頭症治療を中心に、術後管理まで含めた神経外科の包括的な講義をいただきます。
脳外科治療はなかなか勉強する機会がない一方で、MR検査の普及に伴って無視できない選択肢となりました。ぜひこの機会に世界水準の講義を受けていただき、日々の診療の一助としていただければ幸いです。
学術委員 中條 哲也(ONEどうぶつ整形外科センター 東京)
今回のセミナーでは、Dr.Bentleyの真骨頂ともいえる脳外科手術・頭部MR検査・水頭症治療を中心に、術後管理まで含めた神経外科の包括的な講義をいただきます。
脳外科治療はなかなか勉強する機会がない一方で、MR検査の普及に伴って無視できない選択肢となりました。ぜひこの機会に世界水準の講義を受けていただき、日々の診療の一助としていただければ幸いです。
学術委員 中條 哲也(ONEどうぶつ整形外科センター 東京)
トピックス
Day 1 13:00 -19:00
MRIによる脳腫瘍の種類別鑑別
髄膜腫、神経膠腫およびその他の主な脳腫瘍のMRI診断について概説します。頭蓋内腫瘤には4つのグループがあり、主に腫瘤の位置で分類されます。最初のグループは孤立性脳実質外腫瘤で、髄膜腫がしばしば有力な鑑別診断となります。2つ目のグループである孤立性脳実質内病変は、神経膠腫が典型的には主な鑑別診断です。3つ目のグループの脳室内腫瘤には脈絡叢腫瘍が含まれます。4つ目のグループの多巣性病変にはリンパ腫と転移が含まれます。この4つのグループそれぞれの鑑別診断についてお話します。また、信号強度や嚢状領域など、鑑別診断の順位付けをするためのMRI所見の役割についてもご紹介します。
脳腫瘍手術1-アプローチと縫合
脳への最も一般的なアプローチには経前頭開頭術や吻側テント開頭術/頭蓋骨切除術が含まれます。その他のアプローチとしては、経テント頭蓋骨切除術と後頭下骨切除開頭術があります。これら4つのアプローチについて手術動画を用いながら、関連する解剖学的構造物と手術手技の説明をします。また、 “パデューダイヤモンド”(経前頭開頭術の改良型)を含めた改良されたアプローチについてもお話しします。適切な閉創法について、骨片を再設置するメリットとデメリット(開頭術 対 頭蓋骨切除術)に関する議論を含め説明していきます。
髄膜腫、神経膠腫およびその他の主な脳腫瘍のMRI診断について概説します。頭蓋内腫瘤には4つのグループがあり、主に腫瘤の位置で分類されます。最初のグループは孤立性脳実質外腫瘤で、髄膜腫がしばしば有力な鑑別診断となります。2つ目のグループである孤立性脳実質内病変は、神経膠腫が典型的には主な鑑別診断です。3つ目のグループの脳室内腫瘤には脈絡叢腫瘍が含まれます。4つ目のグループの多巣性病変にはリンパ腫と転移が含まれます。この4つのグループそれぞれの鑑別診断についてお話します。また、信号強度や嚢状領域など、鑑別診断の順位付けをするためのMRI所見の役割についてもご紹介します。
脳腫瘍手術1-アプローチと縫合
脳への最も一般的なアプローチには経前頭開頭術や吻側テント開頭術/頭蓋骨切除術が含まれます。その他のアプローチとしては、経テント頭蓋骨切除術と後頭下骨切除開頭術があります。これら4つのアプローチについて手術動画を用いながら、関連する解剖学的構造物と手術手技の説明をします。また、 “パデューダイヤモンド”(経前頭開頭術の改良型)を含めた改良されたアプローチについてもお話しします。適切な閉創法について、骨片を再設置するメリットとデメリット(開頭術 対 頭蓋骨切除術)に関する議論を含め説明していきます。
Day 2 10:00 -17:00
脳腫瘍手術2-手術手技
髄膜腫と神経膠腫を摘出する手術手技をご紹介します。髄膜腫については、正常硬膜を切除マージンに含める役割とシンプソングレードによる摘出率の評価ついてお話しします。神経膠腫については、全摘出の役割についてお話しします。また、バイポーラ電気メスや洗浄吸引などの器具、ロンジュールなどの生検器具や超音波外科吸引装置(CUSA)、コットンパテについても議論します。背側矢状静脈洞-横静脈洞の血管分布や、中大脳動脈、止血のためのトロンビンの使用、血管攣縮や虚血を予防する為のパパベリンの使用についてなど、血管系についてもお話します。
下垂体切除
最も一般的な下垂体腫瘍は、犬では下垂体依存性副腎皮質機能亢進症、猫では末端肥大症を引き起こします。経蝶形骨下垂体切除術症例の術前、術中、術後管理について包括的に概説します。これには、術前の患者の評価、術中CT検査と手術動画を含みます。正常解剖と内分泌学についても簡潔にお話しします。術後における中枢性尿崩症、副腎皮質機能低下症、甲状腺機能低下症、乾性角結膜炎の管理についても説明します。
水頭症に対する新しいVPシャントの開発
様々な水頭症のタイプについて概説します。水頭症の緩和のために設定したシャントは頻繁に閉塞します。我々は最近、管腔内の閉塞物を自ら取り除くことができる脳室腹腔短絡術(VPシャント)を開発しました。ブタの水頭症モデルの進化と、この新しいシャントの評価についてお話しします。本講演では、頭蓋内圧(ICP)の病態生理学と様々なICPの測定方法についても紹介します。
髄膜腫と神経膠腫を摘出する手術手技をご紹介します。髄膜腫については、正常硬膜を切除マージンに含める役割とシンプソングレードによる摘出率の評価ついてお話しします。神経膠腫については、全摘出の役割についてお話しします。また、バイポーラ電気メスや洗浄吸引などの器具、ロンジュールなどの生検器具や超音波外科吸引装置(CUSA)、コットンパテについても議論します。背側矢状静脈洞-横静脈洞の血管分布や、中大脳動脈、止血のためのトロンビンの使用、血管攣縮や虚血を予防する為のパパベリンの使用についてなど、血管系についてもお話します。
下垂体切除
最も一般的な下垂体腫瘍は、犬では下垂体依存性副腎皮質機能亢進症、猫では末端肥大症を引き起こします。経蝶形骨下垂体切除術症例の術前、術中、術後管理について包括的に概説します。これには、術前の患者の評価、術中CT検査と手術動画を含みます。正常解剖と内分泌学についても簡潔にお話しします。術後における中枢性尿崩症、副腎皮質機能低下症、甲状腺機能低下症、乾性角結膜炎の管理についても説明します。
水頭症に対する新しいVPシャントの開発
様々な水頭症のタイプについて概説します。水頭症の緩和のために設定したシャントは頻繁に閉塞します。我々は最近、管腔内の閉塞物を自ら取り除くことができる脳室腹腔短絡術(VPシャント)を開発しました。ブタの水頭症モデルの進化と、この新しいシャントの評価についてお話しします。本講演では、頭蓋内圧(ICP)の病態生理学と様々なICPの測定方法についても紹介します。
Day 3 10:00 -17:00
COMSにおける手術手技
尾側後頭骨形成不全症候群(COMS)は近年、環椎後頭部オーバーラッピング(AOO)や環軸椎領域での背側からの圧迫病変(“背側バンド”)、脊髄空洞症や環軸椎亜脱臼と並んで、頭部頚椎接合部奇形(CCJA)の一つとして分類されています。COMSに対する大後頭孔拡大術についてお話します。それに関連する解剖についても概説します。メッシュを使用した頭蓋形成術を含む様々な手術手技と、その予後についても検討します。
脊髄腫瘍の手術
脊髄腫瘍には硬膜外腫瘍(例:脊椎の骨肉腫、硬膜外リンパ腫)、硬膜内髄外腫瘍(例:髄膜腫)、髄内腫瘍(例:血管腫)があります。アプローチには背側椎弓切除術や片側椎弓切除術が含まれます。最もよく見る病変である硬膜外腫瘍においては、脊椎切除の最大許容範囲について椎弓切除後の瘢痕形成の予防方法と合せて議論します。脊髄髄膜腫のアプローチと縫合についてもお話しします。髄内腫瘍切除術の動画も紹介します。
犬の脳神経外科患者の術前および術後の総合管理
頭蓋内手術では、ある程度の神経症状の増悪が予想されます。想定内の一時的な神経機能の低下は、重篤な合併症とは異なるということを認識しておかなければなりません。神経系の合併症は、誤嚥性肺炎のような全身性の合併症との鑑別が必要となります。片側性障害は頭蓋内の合併症を示唆するのに対し、両側性の異常は全身性の合併症を示唆します。特定の手術で合併症リスクが上昇することがあります。例えば、経前頭開頭術やテント下の手術では誤嚥性肺炎のリスクが高まり、猫の髄膜腫手術では死亡を含めた合併症率が上昇します。脳外科手術前の抗けいれん剤の予防投与や、術中(±術後)の抗生物質投与、適切な患者のモニタリング(動脈ラインなど)、そして誤嚥性肺炎を防ぐための然るべき対策など、慎重に周術期の管理を行うことで合併症を減らし予後を改善することができます。
尾側後頭骨形成不全症候群(COMS)は近年、環椎後頭部オーバーラッピング(AOO)や環軸椎領域での背側からの圧迫病変(“背側バンド”)、脊髄空洞症や環軸椎亜脱臼と並んで、頭部頚椎接合部奇形(CCJA)の一つとして分類されています。COMSに対する大後頭孔拡大術についてお話します。それに関連する解剖についても概説します。メッシュを使用した頭蓋形成術を含む様々な手術手技と、その予後についても検討します。
脊髄腫瘍の手術
脊髄腫瘍には硬膜外腫瘍(例:脊椎の骨肉腫、硬膜外リンパ腫)、硬膜内髄外腫瘍(例:髄膜腫)、髄内腫瘍(例:血管腫)があります。アプローチには背側椎弓切除術や片側椎弓切除術が含まれます。最もよく見る病変である硬膜外腫瘍においては、脊椎切除の最大許容範囲について椎弓切除後の瘢痕形成の予防方法と合せて議論します。脊髄髄膜腫のアプローチと縫合についてもお話しします。髄内腫瘍切除術の動画も紹介します。
犬の脳神経外科患者の術前および術後の総合管理
頭蓋内手術では、ある程度の神経症状の増悪が予想されます。想定内の一時的な神経機能の低下は、重篤な合併症とは異なるということを認識しておかなければなりません。神経系の合併症は、誤嚥性肺炎のような全身性の合併症との鑑別が必要となります。片側性障害は頭蓋内の合併症を示唆するのに対し、両側性の異常は全身性の合併症を示唆します。特定の手術で合併症リスクが上昇することがあります。例えば、経前頭開頭術やテント下の手術では誤嚥性肺炎のリスクが高まり、猫の髄膜腫手術では死亡を含めた合併症率が上昇します。脳外科手術前の抗けいれん剤の予防投与や、術中(±術後)の抗生物質投与、適切な患者のモニタリング(動脈ラインなど)、そして誤嚥性肺炎を防ぐための然るべき対策など、慎重に周術期の管理を行うことで合併症を減らし予後を改善することができます。
日程・会場
参加費・お申し込み
参加費と講義資料代(税込)
※セミナー参加費には、講義資料代は含まれておりません。
参加区分 | JAHA会員料金 | 一般料金/会員当日料金 | |
3日間受講 ※資料なし |
獣医師 | 66,000円 | 72,600円 |
獣医師奨学制度 | 33,000円 | - | |
学術会員 | 19,800円 | - | |
学生A(獣医師免許なし)要学生証コピー | 9,900円 | 13,200円 | |
学生B(獣医師免許あり)要推薦状 | 19,800円 | 26,400円 | |
単回受講 ※資料なし |
獣医師 | 22,000円 | 24,200円 |
獣医奨学制度 | 11,000円 | - | |
学術会員 | 6,600円 | - | |
学生A(獣医師免許なし)要学生証コピー | 3,300円 | 4,400円 | |
学生B(獣医師免許あり)要推薦状 | 6,600円 | 8,800円 | |
講義資料 | データ(PDF)のみ 6,600円 | ||
データ(PDF)+冊子セット 8,800円 | |||
昼食 | 1,100円/1日 ※10時開始のセミナーのみ |
講義資料について
【データ(PDFファイル)】
○講演スライドと講義ノート(日本語と英語)が含まれます。
○購入された方には、8月11日に資料ダウンロード先をご案内いたします。
【冊子】
○講演スライドのみ(講義ノートは含まれません)カラー印刷したものを、当日会場でお渡しいたします。
*冊子のみの販売は承っておりません。購入をご希望の方は、必ずデータとセットでご購入ください。
*追加で冊子をご購入の場合は1冊 2,200円となります。
○講演スライドと講義ノート(日本語と英語)が含まれます。
○購入された方には、8月11日に資料ダウンロード先をご案内いたします。
【冊子】
○講演スライドのみ(講義ノートは含まれません)カラー印刷したものを、当日会場でお渡しいたします。
*冊子のみの販売は承っておりません。購入をご希望の方は、必ずデータとセットでご購入ください。
*追加で冊子をご購入の場合は1冊 2,200円となります。
優待区分での参加について
○「奨学制度」は、獣医師免許取得後3年目までのJAHA会員が対象【要事前申込】
○ 後援団体会員、日本獣医師会会員の方は、JAHA会員料金でご参加いただけます。申込み時、備考欄に所属団体名をご記入ください。
○「学生A」料金は「獣医師免許を持たない方」のみ対象。別途、学生証のコピーをご提出いただきます。
○「学生B」料金は「獣医師免許を取得済みの方」(主に社会人大学院生)が対象で、上長にあたる方の推薦状のご提出が必須となります。
○ 後援団体会員、日本獣医師会会員の方は、JAHA会員料金でご参加いただけます。申込み時、備考欄に所属団体名をご記入ください。
○「学生A」料金は「獣医師免許を持たない方」のみ対象。別途、学生証のコピーをご提出いただきます。
○「学生B」料金は「獣医師免許を取得済みの方」(主に社会人大学院生)が対象で、上長にあたる方の推薦状のご提出が必須となります。
申込
ご連絡
・お申込後、申込確認書の送付などE-mailでご連絡しますので、事務局からのメールを受け取れるよう設定をお願い致します。
・当日会場にて直接お申込みの場合は、会員料金や優待料金の適応外となり、全て一般料金となります。
・事前に昼食をご注文されていない方、当日申込の方は各自で昼食をご用意ください。
・受付は講義開始の30分前から開始となります。開場は1時間前からです。
・会場にてビデオやデジカメでの撮影はご遠慮ください。講義の録音は可能です。
・会場では空調調整を行うよう努めますが、適温には個人差がありますので、温度調整できる服装でご来場願います。
・体調が優れない方、発熱等症状がある方はご来場をお控えください。
・当日会場にて直接お申込みの場合は、会員料金や優待料金の適応外となり、全て一般料金となります。
・事前に昼食をご注文されていない方、当日申込の方は各自で昼食をご用意ください。
・受付は講義開始の30分前から開始となります。開場は1時間前からです。
・会場にてビデオやデジカメでの撮影はご遠慮ください。講義の録音は可能です。
・会場では空調調整を行うよう努めますが、適温には個人差がありますので、温度調整できる服装でご来場願います。
・体調が優れない方、発熱等症状がある方はご来場をお控えください。
キャンセル規定
セミナー前日までにご連絡の場合 キャンセル料1,000円
・連絡日が事務局の休日にあたる場合は、留守番電話メッセージ、E-mailでご連絡をお受けします。
・講義資料のご案内後は、資料代のご返金は出来かねます。
・セミナー直前でキャンセルをされた場合、昼食代をご返金できない場合があります。
・講師が体調不良の場合、講演がキャンセルになる可能性もあります。その際は参加費をご返金いたします。キャンセル料はいただきません。
・連絡日が事務局の休日にあたる場合は、留守番電話メッセージ、E-mailでご連絡をお受けします。
・講義資料のご案内後は、資料代のご返金は出来かねます。
・セミナー直前でキャンセルをされた場合、昼食代をご返金できない場合があります。
・講師が体調不良の場合、講演がキャンセルになる可能性もあります。その際は参加費をご返金いたします。キャンセル料はいただきません。